雅人の死。

第1話

side 悠妃



年が明け、残すは卒業のみ。


学校への登校の残り僅かになり

色々なことがあった3年間を

胸に抱きながら残りの学校生活を楽しんでいた。



" 1日、1日を後悔なく過ごせよ。"


と、ひいにいから伝えられた、俺たち。



いつもと変わらずのメンバーで

屋上に集まり、ご飯を食べていた。




―――………突然、屋上の扉が開く。




慌てた様子の妃響兄がやってきた。



「ひいにい?」と僕が呼ぶ声が

聞こえていないのか、

視界に入ってないのか、

屋上に居るメンバーを見渡している。



ある一点を見つめ、

その人物のところへ足を進める、ひいにい。



「莉音、行くぞ。」


莉音の腕を掴み入り口に向かう妃響兄。



「いやだっ!行かないっ!いやっ!」



目頭に涙を貯めて、

今にも涙がこぼれ落ちそうな莉音が、

ひいにいの腕を振り払う。



「いやだ、いやだ……」と言う、莉音。

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