王女ながら立場の弱い異世界転生者の主人公が、超イケフェイスの勇者を召喚して悠々自適に暮らす!──という導入から始まる本作品は、最初期こそコメディタッチの展開が続くが、物語が進むにつれ、主人公の置かれている立場、抱えているトラウマ、召喚した勇者の事情などが読者に提示されていく
正直に言おう
レビュー者は、起承転結の承くらいまでは、わがままで自分勝手な主人公のことが好きになれなかった
にも関わらず、面白さのゴリ押しで、次へ次へと読まされてしまった
そして、主人公が本当の意味で過去へと向き直ったとき、その感情が裏返り、一気に好きになってしまったのだ
作者の手のひらの上で心地よく転がされてしまった感がある
また、本作品は、凡百の「とりあえず主人公は異世界転生者にしとこ」という粗製濫造小説とは異なり、「前世と今世との関わり」をテーマの一つとしている
この伏線が明かされたときには、思わず目頭が熱くなってしまった
十五万文字を一気に読ませる勢いのある本作品、是非手に取ってみてほしい
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