3DAY


 ふはははは!!!! 今日は秘策を用意した。これで確実に朝霞先生と話せる!!! 朝早く起きて準備したとっておきの策だ。私は朝霞先生に計略ダメージを与える!!!



「みて、結菜。私の秘策を!!!」



 結菜の机の上に弁当を置く。そう、私の秘策は朝霞先生に弁当どうぞからの一緒に食べよう作戦だ。朝霞先生は弁当持ちだったから弁当は嬉しいはず!!!



「これ、朝霞先生にあげるの?」

「うん」

「朝霞先生、自分の弁当持ってきてるから、要らないんじゃね?」



 ぇええぇえぇえぇえ!!! 盲点!!! 朝5時に起きて作った弁当だぞ!! 要らないなんて選択肢取られても困る!!!



「いや、食べるね。朝霞先生は食べる」

「どこから湧くんだ、その自信は。え? もしかして今から行く系?」

「行くでしょ、お昼ですから」



 怠そうにする結菜の手を引っ張り、職員室へ向かう。職員室のドアの前まで来ると、昨日と同じように少しだけ開けて、隙間から2人で中を覗く。



 今日の朝霞先生は機嫌が悪そうだ。昼仲先生を睨んでいる。何かあったのだろうか? 昼仲先生は逃げるようにこちらへ来た。



「君たち昨日に引き続き、どうしたのかなぁ?」

「朝霞先生にこれを……」



 なんか昼仲に渡すのは嫌だな。そう思いつつ、弁当箱を見せる。



「助かる~~俺、朝霞先生の弁当箱ひっくり返しちゃったんだよね」



 なるほど。だからあんなに眉間に皺が寄っているのか。理解。朝霞先生の弁当をひっくり返すなんて、許せん、昼仲。



「どうする? 朝霞先生とご飯食べる?」

「食べたいですけど怒ってる時は1人になりたいと思うからいいや! 絶対渡してね! 昼仲先生!」



 昼仲先生に弁当を渡し、職員室のドアを閉める。ご飯は一緒に食べれなかったけど、ミッションクリア!!! やったぁ!!



「私の弁当が美味すぎて先生も落ちたな」

「本当かよ」



 結菜と教室へ戻り、遅れた昼食を食べ始めた。




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