2DAY
机を向かい合わせ、弁当を広げる。腐冊子を片手に弁当を食べる結菜に声をかけた。
「先生にもっとお近づきになりたい」
「はぁ?」
今日は火曜日。予定では金曜日に告白して、朝霞先生と付き合う。告白を成功させるために、もっと朝霞先生と仲良くなる必要がある。
「う~~ん。勉強の分からないところを先生に聞きにいく」
「なるほど!!」
確かにアリだ。昼休みに行けば、朝霞先生のオフ姿も見れるかもしれない。これはやるしかない!!!
「結菜!!! 今から職員室へ行こう!!」
「ぇえ~~今からぁ? まだ食べてるのにぃ」
広げたばかりの弁当を仕舞い、弁当片手に結菜と一緒に職員室へ向かう。一応私たちの打ち合わせでは、朝霞先生を呼び出し、勉強を教えてもらうプランだ。
「朝霞先生いるかな?」
職員室のドアを少し開け、中を覗く。先生たちもお昼休みモード。お昼ご飯を食べている。
「朝霞先生いた」
「昼仲先生に絡まれてるね」
昼仲先生に後ろから肩を組まれ、何やら困っている模様。
「朝霞先生~~今日のお昼は手作り弁当ですかぁ? 俺にも作ってぇ」
「自分で作ったらいかがですか」
(朝霞先生って弁当なんだ)
「俺、朝霞先生の弁当がいいなぁ~~」
「自分のコンビニ弁当でも食べてろ」
意外と普段は塩なんだなぁ。昨日私に笑いかけてくれたのは、やっぱり何かしらの好意があるってこと?! これはもしや、イケる?!
「あの2人は腐だな」
「なんでも腐だと思うな」
結菜とドアの隙間から覗いていると、昼仲先生と目が合った。やば。こっち来るし!!! どうしよう!!!
「夜山さんたちどうしたの?」
明るい茶髪にピアス。教師とは思えないチャラチャラした見た目と言動が好きではない。じとりとした目で昼仲先生を見つめる。
「私たち、昼仲先生とご飯たべたいなぁって」
え? 打ち合わせと違う!!! ちょっと!!! 自分の推しが来たからって、勝手に作戦変更するなよ!!!
「俺とぉ? いいよ? 屋上行く? ちょっとご飯持ってくるねー」
「いくいく~~はぁい」
「…………(何故こんなことに)」
コンビニのビニール袋と、ペットボトルのお茶を手に持った昼仲先生が私たちの元へ来た。はぁ。朝霞先生と食べたかった。
「朝霞先生も一緒に屋上で食べない?」
ナイスアシスト昼仲!!! 乗ってこい!!! 朝霞先生!!! 私は貴方とご飯が食べたい!!!
「お前とは食べない」
「釣れないねぇ~~。いこっか、2人とも」
私のことなんてまるで眼中にないような断り方。こんな子ども相手じゃ、恋愛対象として、見てもらえないのかな。つい、弱気になってしまう。
告白まで残り3日。作戦は失敗したが、明日は盛り返したい。推しの昼仲先生とランチで喜んでいる結菜のために、今日は一肌脱ぐか!!!
私たちは他愛のない会話をしながら屋上へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます