第43話
高橋先輩が訝しげに俺の顔を見ると、何かを言いたげに口を開いた。
「……お前どっかで………、」
……う、やっぱわかるか…。
関わりたくなかったんだよな。よりによってサッカー部の先輩だし……。
高橋先輩のその反応に俺は諦めて愛想笑いを浮かべて頷いた。
「……高橋先輩ですよね?俺、新堂眞紘です。
仕方なく、3つ上でサッカー部だった兄貴の名前を出すと、1年被っていたはずの高橋先輩たちの顔色があからさまに変わる。
「え!?やっぱりかー!そうだよなあ!?どっかで見た事あると思ったんだよ!」
「新堂先輩って弟いたの?」
「そういや、陽太先輩ん家に遊び行った時いたような…」
「マジか、確かに目とか似てんなあ〜」
「俺この前、陽太先輩とツトム先輩にたまたま駅で会ったぞ」
ワラワラと俺の顔を見て好き勝手なことを口々に言う先輩達は先程までの空気を既に取り払った。
「え、眞紘…だっけ?2年?」
「そうです。」
「うわ、マジか。今までぜんっぜん気づかなかったわ」
高橋先輩は目立つし、兄貴と仲良かったから何回か家に来たことがあった。大して話したことはねえけど……。
だから俺は気づいてたっつーか、もちろん知ってて、あえて関わんなかったわけで。
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