第39話
それに出雲も普通に話してるみたいだし……。
喧嘩するほどなんちゃら、ってやつか?
ま、俺関係ないし……。
下駄箱じゃ目立つだろうから、他に人も通るだろ。
そう思って靴を取りに戻ろうとしていると、反対方向からサッカー部のメンツと思われる男達数人が高橋先輩と出雲の様子を見て立ち止まると、笑いながら声をかけた。
「リョウ、超嫌がられてんじゃん」
「うっせ、嫌がってねえよ」
「汐里ちゃーん、そいつやめて俺にしたら?」
「はいはい!俺も立候補するー!」
「じゃあ俺もー!」
ワラワラと集まってきた男子が男特有の調子づいた悪ノリを始める。
「お前らどっか行けよ。汐里は俺と二人きりがいーんだよ」
「だってさ、汐里ちゃん。どう?」
Sっ気の抜けない口調でふざける高橋先輩のノリに乗っかったメンバーが出雲に話を振る。
「……」
「……はい、無視ー!」
それに何も答えない出雲がさらに面白かったのか、その場面がガヤガヤと一層湧き上がる。
おいおい……。
見たことない顔が多いから、恐らく先輩達だろうけど、出雲にぶった斬られるぞ。
先輩だろうと容赦ねえみてえだし。
靴を床に落としながらギャーギャー騒いでいる先輩たちに繰りでるであろう出雲の容赦ないセリフを待っていると。
「……どいて」
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