第38話
「……はあー…」
おいおい…。
めんどくせー……。
そういえば高橋先輩が出雲に振られたってな噂が立っていたことを思い出す。
大方、まだ諦めてないんだろう……。
……うっわー。
関わりたくねえー……。
……でも出雲、どう見ても嫌がってるよなあ〜……。
声かけるべきか?
…いや、俺も知り合いってわけじゃねえし……。
密かに悩んで様子を見ていると、二人の会話が耳に入る。
「1回遊ぶくらいよくねえ?楽しませる自信あるよ?」
「遊ばないし!キモイっつってんじゃん!」
「んな釣れないこと言うなよ?な、1回だけ」
「あんた話聞いてんの?いいから、さっさとどいて!邪魔なんだよ!」
「汐里ちゃんが一緒に帰ってくれんなら通してあげる」
「キモイキモイキモイキモイキモイキモイキモイキモイキモイキモイキモイ!き!も!い!ん!だ!よ!」
余裕そうな高橋先輩とは対極に、出雲は小さすぎる顔でほぼマスクに隠れてるけど、それ越しでも分かるくらい目を釣りあげて怒鳴っている。
小学生?
…………なんだよ、この会話……。
不毛すぎる会話の"終わり"具合に苦笑いしつつも、出雲のあの態度を軽く受け流している高橋先輩はかなりタフらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます