第37話

***



「最近なんかツイてねえ。」



放課後、掃除当番だった俺を含め数人のクラスメートの中で誰が校舎の裏にあるゴミ捨て場までゴミを持っていくかジャンケンで決めることになり。



見事に一発負けした俺は、ゴミの袋をガサガサと手にしながら不満を募らせる。



下駄箱で靴を履き替えようとしていると、



「……、から……〜〜〜どいてってば!」



どこかからか言い合うような声が聞こえてきて。



……なんだ?



俺は靴から手を離し、周りをみわたすと奥の下駄箱の角にサッカー部のユニフォーム姿の……イケメンと名高い高橋先輩が笑顔で何かを見下ろすように下駄箱に手をついて立っている。



「いいじゃん、一緒に帰ろうぜ」



爽やかで、だけどちょっとSっぽさを兼ね備えた高橋先輩が笑顔を向けている。



視線の先を辿ると下駄箱の死角に隠れていたのは…………最近よく見かける、出雲汐里。



恐らく高橋先輩が棚に手をついているせいで、出雲は逃げるに逃げられなくなっているらしい。

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