第34話
心底面倒な奴だと思いながらグラウンドをノタノタ走る出雲の姿を見ていると、不意に前から声が聞こえる。
「眞紘くん、プリント」
「あ、わり」
前の席の宮野が振り返ってプリントを渡してきていたので、慌てて受け取り後ろへ回す。
「何見てたの?」
小さく笑いながら聞いてくる宮野は、クラスの中でも上位に入る可愛さだ。
先日、お調子者のクラスメートの男達が勝手に作ったランキングで宮野は二位にランクインしていた。
男は本当にバカだバカだとよく言われているけど、男の俺でさえ本当にそう思う。
各言う俺も宮野はタイプだ。
俺の性格は、どっか子供っぽいのか、ちょっと人をからかったり、わざと意地悪いことを言って困らせるのが好きだったりする。
性格っつーか、これ性癖か?
宮野のような分かりやすい女子は、俺のタイプど真ん中って感じで……。
「宮野が今日は髪縛ってんなあと思って」
全く気にしていなかった髪を確認してから言うと、宮野はわかりやすく動揺する。
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