第33話
浩介こそ出雲と接点あるのか?
「なんでって言うか、出雲さんと同じ中学の子がそう言ってたなと思って」
そう簡単に答えると、タイミングよく次の授業の教師が前の入り口から入ってきて、ザワついていた生徒たちがダルそうに自分の席へと戻っていく。
自席へと戻った浩介の後ろ姿を見た後、視線を外へと移す。
浩介は謎の多い男だけど、俺がひとつ言えることがあるとするなら、…結構女関係にダラしない。
つまり、恐らく遊んでる女から聞いた話ってことだろう。
俺だってダラしなくないのかって言われたらそうとは言えねえし。
俺は極力面倒なことはしたくないから、要領よく生きている浩介にどちらかと言えば近い方だと思う。
いけるところを狙えばいいのに、樹みたいにわざわざ可能性ない女追っかけたり、遠くから見てるだけってな無駄なことしてる奴の方が、俺からしたらよく分かんねえし。
だから、それは別にいいんだけど。
グラウンドでは相変わらず出雲が輪に入らないままぽつんと突っ立っている。
つーか、やっぱり男嫌いは元からなのか……。
「………。」
関わったことねえし、絶えない噂しか聞いたこと無かった。
授業を始めた教師の声が全く頭に入ってこない俺は、外にいる出雲の姿を目で追いかけながらこの前のことを思い出した。
………あの反応ってどっからどう見てもたっつんのこと好きだよな?
だけど男嫌いなのか?
好きな男がいんのに、男嫌いって……なんだ?
……マジでやっぱり意味わかんねー……。
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