第32話

「や、珍しいなと思って」


「……何が」


「え?眞紘が他人に興味持つのが」



はあ?



サラッと失礼なことを言い始める浩介は、2年になってから同じクラスになり、なんとなく一緒にいるようになった。



だけど本心が見えないっつーか、何考えてんのかよく分かんないとこがあるのは事実で。



「浩介って俺のことなんだと思ってんだよ」


「別に悪い意味じゃないよ。出雲さんとなんかあったの?」


「…そういうわけじゃねえけど、なんとなく気になっただけ」


「ふーん。」



……しかも、なんか鋭いんだよな。



含んだような相槌が聞こえ、それに気づかない振りをしてると、それすらも見通しているかのような浩介が涼しげな笑顔を見せる。



「男嫌いの理由は知らないけど、中学の頃は気の強さで相当女子と揉めたらしいよ」



浩介が口にした話に、俺は眉を顰める。



「出雲の話?」


「うん」


「……なんで浩介がそんなこと知ってんの?」

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