第25話

そうやって伝えておいてくれ。



そう言おうとしたところで、出雲が口を開いた。



「……付き合ってない」


「や、だから別に…」


「……親戚なの」


「誰にも言わ………は?」



出雲の口から出た言葉に理解が遅れた俺は素っ頓狂な声をあげ、口を開けたまま顔を見あげた。



今、なんて?



「……え、親戚って…たっつんと?」



その言葉に戸惑いながら、それを繰り返して聞くと出雲は俺から視線を逸らしながら小さく頷いた。




「……従兄弟だから」



…イトコ……いとこ……従兄弟……?



脳内で『従兄弟』というワードを復唱した俺は、数回繰り返したところで、ようやく理解が追いつき…。



「……なんっだよ!従兄弟って…!それっ……はやく言えよっ!」



完全に恥ずかしい勘違いをしていたことに気づいた俺は顔から火が出そうになり、両手で顔を覆いながら出雲に文句を垂れた。

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