第24話

「ちょ、まてまて。違うからな!?好きっつうのは、別に男として好きとかじゃなくて人として好きっていう…」




これこそ変な勘違いをされていそうで、ハッとそれに気づいた俺が早口で誤解を解こうと出雲を見ると、初めて出雲が俺に対してまともな目を向けていて。




「………本当に?」




はっ?



そう聞いた声は心做しか先程よりもワントーン明るい声で。



なんだ……?



その出雲の顔を見た俺の心臓はドキリと動いた。



つーか、出雲の態度の悪さも相まって完全に忘れていたけど、やっぱりこいつってめちゃくちゃ顔が整ってるわけで…。



こんな顔の女に近くで見つめられて、平気な男なんてこの世にはいないんじゃ……、



瞬間的にそう思った俺は、バッと出雲から顔を背けてプリントに目をやった。



「と、にかく…、出雲の言いたいことはわかったから。俺は誰にも言ってねえし、これから言ったりもしない」


「……」


「だから、別に気にすんな」


「……」


「たっつんにも、そうやって…」

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