第19話

え?



なんでアイツがここに?



珍しくいつもしているマスクをしていない出雲汐里は驚いた俺に何を言うわけでもなく、教室に入ってくるわけでもなく入り口に突っ立ったまま、俺を見て…………。





見て…………、




見て………………?







………………見てっつーか、超睨まれてね……?




大きく潤んだ瞳をつり上げたままじっと俺を多分、(つーか、まあ絶対)睨みつけてきている女。




「……な、なんか用か?」




重たい空気の中、ビビりながらも声をかけると、その声に反応した出雲汐里の目がさらにきつくなる。




はっ!?なんで!?

俺なんかしたか……!?




男嫌いの代名詞とも呼べる出雲汐里は、善意で声をかけたはずの俺をゴミでも見るかのような目つきで…………。




意味わかんねー………。




……つーか、なんで俺が睨まれなきゃなんねえ……、






「………ぃから、」

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