第8話
俺が驚いたのは出雲汐里が社会科資料室にいたことでは無い。
そんな事ではなく、出雲汐里が年がら年中夏でも冬でもクソ暑くてもクソ寒くてもほとんどの時に付けているマスクを外して、たっつんこと佐原たつみ先生と話している。
……だけではなくて。
「あははっ、じゃあそのまま忘れたってことー?」
"あの"出雲汐里がめちゃくちゃに楽しそうに笑っている……。
笑った顔なんて、誰も見たことないって噂の出雲汐里が……。
いつも不機嫌そうな出雲汐里が、だ……。
「もうほんとしっかりしてないなあー」
「えぇー…しいちゃんまでそんなこと言う?」
「だって、ほんとのことだもん」
俺は驚きで言葉が出ないまま、その光景を見つめていた。
校内一可愛いと言われている出雲汐里の笑顔は、信じられないくらい可愛くて……。
それは単に顔が可愛いってだけの話ではなかった。
いや、可愛い。
顔は本当にめちゃくちゃ可愛い。
だけどそうじゃなくて……。
なんかこう、出雲汐里って……、
「(あんな顔するのか……?)」
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