第7話

俺もどちらかと言えば佐原先生……たっつんのことは嫌いじゃない。



性格良いのが顔にも出てるしな。



ただし佐原先生のいる社会科の資料室は、俺のクラスからはかなり遠い……。



別棟の3階一番奥の社会科資料室に行くのはかなりダルい。



この階には選択授業の教室があるけど、それ以外には用事がなくて、あんまり来たことねえくらいだ。



食堂からも結構な遠さだった社会科資料室に辿り着き、ドアをノックしようとしたところで、ふと手を止めた。



「(声が……)」



中から何やら話し声が聞こえ、下げていた視線を上げてドアのガラス板になっている小さな枠から中を見る。



……ん?たっつんと誰か……、



………んんっ!?



俺は思わず目を見開いて、資料室の中を見た。



中には今日も穏やかな笑みを浮かべている社会科のたっつんとその横には………。





「出雲汐里………?」




──────噂の女、出雲汐里の姿がある。

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