第4話

誰ならいいんだよおおぉ〜、と項垂れながら味噌汁を飲みこむ樹。



高橋先輩は3年の中でも特に女子に人気のサッカー部の男。



確かに男の俺から見ても、あの顔はかっこいいと言えるくらいだけど。



「ていうかさ、よくやるよな」



樹の気持ちも高橋先輩の気持ちも正直、全く分からない。


どれだけ可愛くても、出雲汐里の何がそんなにいいんだよ?



「超ド級の男嫌いなんだろ?」



それは全く無関係の俺たちですら知ってる。



出雲汐里が"大の男嫌い"ということは、そいつの名前と同じくらい一緒になってついて回る情報で。


その噂は数知れず。



出雲汐里が仲良く男と話しているところなんて見たことねえし。つーか、女と話してるところすら、ほとんど見ねえし。いつも不機嫌そうにしてるし。



『出雲さんに女友達とかいるの?』と同じクラスにいた女が言っていたことを思い出す。



いくら可愛くても、男嫌いの女にわざわざいかなくても良くないか?



俺の言葉に浩介が頷く。



「いつも一人でいるしね」

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