第3話
「それで樹は、汐里ちゃんと話したことあるんだっけ?」
笑顔でグサッとくることをいう浩介に、樹はしょんぼりとしながら「ありません…」と日替わり定食の唐揚げを口に入れる。
「つーか、話せるわけないだろ!俺みたいな男が!」
「おい、唾飛ばすなよっ」
「あんな高嶺の花に話しかける勇気は俺にはない!」
もっともらしくダサいことを大きな声で言う男は、ハッキリ言えばヘタレ野郎。
一年半もの間、こうしてこそこそ気になる女を観察してるくせになんのアクションも起こさない。
俺だったら、一年半も見てるだけなんてありえねえー。
とは言え、普通なら信じられない気もするけど、まあでも相手が"あの"出雲 汐里だから、樹の気持ちは分からなくない。
「この間もサッカー部の高橋先輩を振ったらしいぞ。しかもサッカー部員の前で公開処刑」
ってサッカー部のナカノから聞いた情報を教えてやると、樹はデカいため息をついた。
「高橋先輩って…汐里ちゃんは、あんなイケメンでも無理なのかよ〜ぉ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます