第63話

「てか、どうなの?」



「え?」



「足、大丈夫なの?」



女子がそう聞くと、当然ながらにつられるようにしてその視線が一斉に膝へと向かう。



両膝にバカでかい絆創膏を付けているわたしを見て、ぶっと横で息吹藍が笑った。



それは完全に馬鹿にされた様子で…。




「ちょっと笑わなくても…」



「ありえねえぞ、両膝にそんなデカい絆創膏してる女とか」



隠すつもりも無いのか平然と笑われて。



そりゃあ自分でもありえないと思うけど…。



「仕方ないじゃん…。まだ見せられる感じでもないし」



「そうなの?」



それに驚く女子に小さく頷く。



「だろうな、結構深かったし」



息吹藍は分かっていたのか、驚く様子も特になく納得しているような表情を見せる。

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