第61話

差し出されたものを反射的に受け取ったのか手を出しながらその袋を不思議そうに見つめる。



「うん。この前助かったから、お礼にと思って…」



全員に見られ少々気まずく思いながらも言ってそれを渡した。



「はあ?わざわざ?」



わざわざって…。



少々面白そうな声を出して息吹藍が聞いてきて。



「お前マジで律儀だな」



律儀ってわけじゃ…。



変にいいものを期待されていても困るので、一応そこは否定しておく。



「あの、別にただのお菓子だから。なにがいいか分からなかったから、大したものじゃないんだけど…」



まあ簡単に言えば中身はちょっと有名なお店のお菓子だ。

それを詰めたってだけで…。



そう伝えると息吹藍が、ふーん的な反応をして…。



「んなもん気にしなくていいのによ」

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