第60話

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その日の帰り道、いつも通り23時近くにその道を通ると今日もコンビニの前には数名の男女がいた。



その中には息吹藍の姿もあり。



他のメンバーは変わっているような、そうでも無いような…。



いまいち覚えていないながらも、自分の目当ての人間がいることは分かりそこへと近づいた。



わたしが近づいて、息吹藍達のグループの目の前で止まると、一番最初に気付いたのはこの前とても嫌そうにわたしを見ていた派手な女子で…。




「なに?」



わたしに向かって冷たい声を出すとそれにつられて不良達の視線がわたしに向く。



「よお、光じゃん」



息吹藍が笑顔を見せて軽くそう言うと、派手な女子がさらに睨むようにわたしを見てくるのがわかり…。



そんな睨まなくても…。



何か気に入らないんだろうけど。



だからと言ってここまで来ておいて引く訳にもいかず…。



カバンから袋をふたつ取り出して、その内の一つを息吹藍に差し出す。




「なんだこれ?俺に?」

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