第56話
笑顔でお礼を口にすると、薫くんも笑顔を返してきて、自然と同じ教室へ並んで歩き出す。
薫くんも同じ授業を受けているのは知っていたから。
「ねえ、薫くんって南高の制服どう思う?」
「制服?」
世間話的な感覚で話を振ると、不思議そうにされる。
「どうって?」
「男子の話じゃなくて女子の話なんだけどさ。可愛いとか思う?」
「可愛い?え、制服が?」
「そう。思う?」
そう言うとわたしの着る制服をキョトンとしながらも薫くんがじっと見つめる。
「まあ…どうかな。ダサくはないと思うけど、あんまり考えたこと無かったかもな」
素直な感想を述べられ、わたしもそれに頷く。
「だよね、わたしもそう思ってて…」
「でも光は似合ってるんじゃないか?」
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