第55話
「どうしたの?これ」
大した怪我ではないと察したらしく、少し苦笑いで聞かれる。
「ちょっとね…」
ペットボトルのキャップを開けながら、曖昧に笑う。
だって、言えない…。
雨で濡れた道に滑って転んだなんて、ダサすぎる…。
「足痛かったから、来るの面倒だったの」
「ならもう痛くないってこと?」
スポーツドリンクを選んだらしい薫くんがそれを販売機から取り出して聞いてくる。
「うん…。痛みはもうなくて、けど傷が瘡蓋にならないって感じ」
頷いて傷の経過を伝えると、薫くんは少々心配そうな声を出す。
「なんでもないならいいけど…酷くなるなら病院行った方がいいよ」
まあ……。
そうかもね。
今のところは大丈夫そうだけど…。
「うん、そうだね。ありがとう」
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