第40話

わたしが戸惑いながらもそう言うと、息吹藍が黙って車に向かって歩き出す。



そうすると一人の男がそれより先に車の後部座席を開けて息吹藍がそれに乗り込む。




何この状況…。

この男、何者なの?




そうして見ていると、息吹藍が乗り込んだ方の反対側に周った先程の男が今度はわたしの為にか扉を開けてくれる。




まるでお姫様にでもなったかのような…。



「あの、ありがとう」



「いいって。お大事に」




初めて受けたお姫様扱いのような行動に戸惑いながらも、絆創膏の女子にお礼を言うと簡単に言われる。



一緒に視界に入った横の派手な女子は不服そうにわたしを冷たい目で見ていたのも分かった。



そんな状況でもはやく乗らないと、ドアを開ける男が雨に濡れてしまい。



慌てて車に乗り込むと扉が閉まる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る