第39話

数名の視線を感じながら、どうするべきなのか迷っていると息吹藍が面倒そうにため息をついた。




「どっちでもいいから、はやくしてくれねえ?乗るのか、乗らねえのか」




どっちでもいいって…。



とは言っても、本当はどう考えても送ってもらいたかった。



ただその相手が息吹藍という事で悩んでいたのであって…。



それでも女子にまでそう言われると、そうしてもいいんじゃないかと思えてきて。



「本当に迷惑じゃないです?」



「通り道なんだよ」



という事はさして迷惑という訳でもなさそうで。



ただわたしをそこで降ろすだけ。



それに何より息吹藍が早くしてくれ的な顔でこっちを見てくるから。




「…なら、お願い…します?」

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