第38話

「何?そうなの?」



「まあな…。つーか、どうすんだよ」



ひと言返すと息吹藍の視線がすぐ戻ってきて。



どうすんのって…。



「乗ったら?」



「え?」



そう言ったのは絆創膏の女子。



「ちょっと、ハルっ!」



「何よ、いいじゃない別に。藍が乗ればって言ってんだし、送ってもらいなよ。」



横からそれを嫌そうにした女子をあしらって、わたしに軽く言ってくる。



「しかも同じマンションなんでしょ?だったら尚更良くない?」



「…」



「傘もないんでしょ?ここで傘買うのとかもったいないし」



そう言われてみると…。



それもそうなような気がしてきて…。

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