第33話

「あたし、ティッシュあるよ。」



その内の一人の女子が鞄からそれを取り出して息吹藍に渡す。



「ほら、使えよ。」



それをさらにわたしに渡してきて…。



「え、いいですっ」



「なんだよ、持ってんのか?」



「持ってないです、けど…」



「だったら使えよ、マジで血ぃやべえぞ」



確かにとめどなくダラダラと膝から流れ出ている血が足を赤くしていて…。



「…いいんですか?」



息吹藍ではなく、その後ろにいるティッシュを渡してくれた女子を見て聞くと。



「いいよ、使いなよ。てか大丈夫なの?」



その女子が息吹藍と同様に近づいてくる。



「本気で痛そうだし…。それ病院とかいった方がいいレベルじゃない?」




病院…。

そこまでの怪我ではなさそうだけど…。



「そこまでじゃ…。」



「水買ってきてあげるよ」

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