第32話
一瞬目が合った息吹藍から視線を逸らして、こんな状態の自分を恥ずかしく思うわたしは素早くそこから別の場所へと移動しようとすると。
「大丈夫なのか?」
え?
「それだよ、足」
視線を向けると、息吹藍のガラの悪さを際立たせるようなつり目がちな瞳が足に向けられていて。
「血ぃやばくね?」
あまりにも平然とした態度で声をかけられ、それに釣られるようにして思わず口を開いてしまった。
「雨が降ってきたから、走ってたら滑って…それで」
「転んだのか?」
「はい」
「なんかガキみてえだな」
ガキ?
意味がわからず、黙って息吹藍の顔を見ていると。
「おい、なんか拭くもん持ってる奴いねえの?」
拭くもの?
息吹藍がそう声を掛けたのは、コンビニ前の男女数名で…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます