第19話

どうせたいした話じゃないんでしょ?



いつも小さなことを気にする母親の話すことが、大したことだった事など記憶にある限りでは、一度もなく。



どうでもいいと思いながら聞いてると、わたしの前の椅子にかけて、あからさまに顔を顰める。



「どうもこうもないわよっ、本当に信じられない。息吹さんのお宅、何されてるのか不思議でしょうがないわ」



別に、何だっていいでしょ。



「知らないよ…。」



「ああいう子がいるって、なにか怪しいお仕事だと思わない?」



なにそれ…。


全く訳の分からないことを言い出す母親に呆れる。



「なに?怪しい仕事って」



「詐欺とかそういうのよ、よく聞くじゃない。そういう人って身近にいたりするって」

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