第12話

そう言った薫くんは、別に医者に自分からなりたいと思っている訳では無いらしく。




「だからなりたいとかなりたくないとか、俺の意思ってあんまり関係ないからさ。そういうの、考えたことないな」



だからといって、それが不満というわけでもなさそうで…。




「まあ、俺やりたいこともあるわけじゃないから。人に決めてもらうのって案外ラクだったりするし」




そう話し終えると「でも内科より外科の方がいいな、『失敗しないので』とか言ってみたいし」とドラマのセリフを真似しながら軽く冗談を言っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る