第一章 世界が一転した日②
「え……」
いつの間にか地面は駅のホームでは無く、
光がゆっくりと消えていくと、
周囲の人々はゲームで兵士が着るような服装をしているが、妙に破れや
周囲の人達は
「どけ! これが聖女か!」
どすどすと足音を立てて現れたのは、
「どちらだ?」
がっ、と
小さな悲鳴が聞こえて慌てて体を起こすと、王冠の男は女の子の
「ちょっと……っ!」
制止しようと出た言葉は、周囲から向けられた大量の武器のせいで中断された。ぎらぎらと輝く
「そいつはいらん。城から追い出すか処分しておけ」
私を見て鼻で笑った王冠の男は、強引に女の子を引っ張り部屋を出ていく。泣きそうな顔の女の子がこちらを見たが、武器は
「動かないで下さい、どうか、お願いだから……」
そう
結局女の子は連れ去られてしまった。扉の閉まる音に無力感を覚えて
何がどうなっているのかと
「おい、どうした?」
「まさか、聖女を
「聖女様は王が……申し訳ありません」
兵士の答えを聞いてさらに顔色を悪くした彼は、一瞬悩んだ後に近くの兵士に小声で何かを囁いた。兵士は泣きそうな顔で、はい、と返事をして部屋を出て行ってしまう。
男性はすぐに私の方へ近寄って来て、
「これは……申し訳ありません。おそらく何も把握出来ていないかと思いますが、ここにいてはあなたも危ない。私が案内しますので、ともかく城の外へ」
早口なのが彼の
「もう一人の女性の事はご心配なく。私の部下を向かわせましたので、王から引き
「……わかりました」
確かにここにいてもどうしようもないし、あの王に殺される可能性もある。人間に向かって、笑いながら処分なんて言葉を発する事が出来る男なのだ。
私の返事を聞いて
あの王と彼ら、どちらかを信じなければならない以上、選べる
兵士の一人が
ヒビや穴だらけの
「こちらです。この門から外に出られますので」
示されるまま門から一歩踏み出したところで私の足は
「説明します。行きましょう」
大きな鳥に手紙らしき
「
私の様子を
「この世界は今、
どこかで聞いた話だ、と笑い飛ばしたくなった。よりにもよって、私の大好きなあのゲームとまったく同じ設定だなん、て……。
「あなたがここに来たのは、異世界から世界を
心臓が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます