第一章 世界が一転した日①
電車の
「……終わっちゃったなあ」
名刺入れの中には『
窓に映る自分をじっと見つめる。
頭の後ろできっちりとシニヨンにしたヘーゼル色の
この
この外見のせいで色々うまくいかない事も多いが、完治しただけ良いと思うしかない。
水を一口飲んで、荷物を自分の
鞄に水を
「新しいスマホは嬉しいけど、やっぱり
重要なデータは移したが、帰ったらアプリのダウンロードやデータの
何より、
スマホを操作し、保存していた画像の中から一枚選んで待ち受けに設定する。ホーム画面に現れた男性キャラのイラストを見て『ユーリス』と小さく
青い
帰ったらデータを引き継いで、彼の『おかえり』というボイスを聞かなければ。
このゲーム、よくある
『何百年も続いた魔物との戦争が終わって数十年、
ゲーム開始時に数人の男性キャラから相棒を一人選び、そのキャラが住む国を復興していく。
パズルは決まった手数以内で様々な形や色のピースを移動させ、同じ物で
病室しかなかった私の世界を一気に
しかし私は、相棒キャラを一度も変えていない。
『かっこいい……!』
幼い私が画面の向こうの彼に
あの頃の私は大半の時間を痛みや苦しさと
そこで見つけた、私の初恋。
崩壊した世界でも何一つ
ユーリスから視線を
「現実での恋は、もうしばらくしなくても良いかな」
ゲーム以外のアプリもダウンロードしている内に、電車は降りる駅に
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