第9話
諦めて、ベンチの余白に置いたペットボトルを恨めしく眺める。
せめて、首筋とかおでこに当てたら冷たくて、気持ちいいかも。
もう一度、持ち上げようとしたペットボトル、は。
ひょい、と、横から延びてきた手のひらによって、さらわれてしまう。
…え…?
戸惑いながら、あげた、視線。
くるん、とした、前髪。
その前髪からのぞく、くりくりとした、瞳。
「濡れてるから、開きづらいですよね」
はい、どうぞ。
意図も簡単に、ひねられたキャップ。
…ウソ…、
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