第3話 最低な出会い



大人なんだから・・・・。

そういうのもきっとある。



一夜限り・・・。


それでも・・・。


いいのかもしれない。







駅を抜け、飲み屋街を歩きながら香奈さんは携帯を弄り・・・。


「葉月瑠衣って名前、すっごい可愛いよね。見た目に合ってるしっ!!」



そ・・・。


そうかな・・・。


半信半疑に笑う。


「えっと・・香奈さんは何歳なんですか?」


私が言うと香奈さんは笑って・・・。


「私??25っ!!今回、他の子達が20の子2人でさーー!バカだけど気にしないで!」


げっ・・20歳・・・・。


わっか・・・。


「あのーー・・男性はーー・・・」


香奈さんの後を追ってビルの入り口に入りながら聞くと・・香奈さんはエレベーターのボタンを押し・・・。


「確か23とか言ってたかな??・・・でもーーー・・」



タメか・・・って・・・。



でもなにっ???


香奈さんは私の顔を覗き込み・・・スッゴイ顔を近づけて来て・・・・・。


「超イケメンなの!!」




いっ・・・


いけ・・・



イケメンッ???



「あっ・・/////えっと・・・・」


イケメンって・・・。


イケてるメンズだよね????



その時、エレベーターが丁度来て香奈さんに手を引っ張られ中に乗り込んだ・・・・。






香奈さんは5階のボタンを押し壁に寄りかかると・・・・。


「実は先週、横浜でナンパされてさーーッ!スッゴイ格好いいから速攻どうにかなってもいいかなって思ったら~そんな感じはなくて残念って思ってたんだ。」


ナンパッ・・・。


「えっと・・・そんな格好いいんですか???」


なんか・・・怖いなーー・・。



私がビビってそう言うと・・・・香奈さんは笑った・・・。


「なんかさ、私みたいなギャル好きじゃないんだってさッ!ってーーー・・なんでナンパしたんだって思うじゃん??」



確かに・・・。



ポーーーン・・・・


5階に到着しドアが開くと・・香奈さんは笑って・・・。


「ナンパは何かの罰ゲームだったらしいよ??」


ぇえっ・・・。




さっ・・・



更に怖いんですけどッ!!!!


こんなギャルに・・・罰ゲームでナンパって・・・。


しかもギャルが好きじゃないとか、本人に言っちゃうんだ・・・。



こ・・・。


怖いッ!!!





5階に着き、エレベーターを降りると・・・綺麗な居酒屋さんだった・・・。



香奈さんに引っ張られながら、店員さんに奥の方の個室が並ぶ方に案内され・・・。


ワイワイ盛り上がる居酒屋の雰囲気。



もう今の時点でかなり帰りたいんだけど。


私、飲み会とか本当苦手で・・・。


どうしよう。


もう帰りたくて仕方ない。





そんな私の気持ちを全く知らない香奈さんは、一つの個室の前でパンプスを脱ぎ・・・。


個室を指さしながら私に笑いかけてきた。


そして・・・。


香奈さんが引きドアを開けた・・・。



「あーーーーっ!!来た来たーーー香奈さん遅いーーー」


その瞬間・・・甲高い声が聞こえ・・・・。



あーーー・・やっぱ無理だ・・・。


入り口で硬直していると・・・・


「瑠衣ちゃん・・・、こっちおいで?」



香奈さんは優しく私の手首を引っ張り・・・中に入れてくれた・・・。


うーー・・・・。


その私にとっては戦場と化した個室。


目を閉じて・・・・歯を食いしばった。



・・・・・。


「あーーーあーーー・・やっとギャルじゃない人来た!」



え・・・・。


そんな低い声。


薄めを開けその場を眺めると・・・・。


女の子二人は香奈さんほどではないが・・・私からすると・・・


ギャルの女の子。




男の子は3人。



・・・う・・・・。


か・・・


格好いい・・/////



ってか、・・3人ッ????


「あれ?3人なの?」


香奈さんは私を真ん中に座らせ自分は端っこへ座りながら言った。



すると一番奥に居た金髪の男の子が・・・・。


「もう一人は遅れてくるッ!!バイト上がりで来るから!」



なんだろう・・・


他二人もお洒落な髪型でかなりお洒落な風貌・・・。



ジッと見とれてると・・・金髪ボーイは・・・。


ニカッと笑って・・・。



「後5秒見てると妊娠しちゃうよ?」



ひっ・・・・


びびって目を反らした!!


「えーーっ!!香奈ちゃんこの子名前は??何歳?」


他の2人が言うと・・・香奈さんは私を紹介してくれた。




異様な雰囲気の飲み会。


普通合コンって男子が結構食いつくんじゃ・・・



なのにこの飲み会は逆!!


先に来てる2人の女の子が、金髪君と他二人に猛アタック!!



金髪君の名は・・・上地龍・・・。


その隣が鮎川太一、その隣は・・肥後誠・・・。


私は香奈さんが頼んでくれたお酒を一口二口と飲み・・・会話に入っていけないでいた・・・。


「えーー??じゃぁーーみんな江の島の方に住んでるの???」


2人のギャルその1が言う。



てか・・・江の島??



「そうそうッ!でも追いかけて来ないでねーー??地元は荒らされたくないんだー」


太一と言う男の子がサラッとそう言った。


スッゴイ・・・上から目線・・・。





荒らされたくないか・・・。


思いっきりこの飲み会は遊びですって感じね・・・。


てか・・江の島に住んでるんだ。



私が黙って下を向いてると・・・・。


「瑠衣ちゃんは何処住んでるの?」



顔を上げるとタバコを吸いながら金髪君が言う・・・。



・・・・・。


「えっと・・今は横浜市内・・・・。」


今はね、今はー・・・・。




この場所に来て15分がたった頃。


私はドアに寄りかかって座り・・・・もう息がつまりそうで何度も携帯を見た。


香奈さんが、一生懸命話題を振ってはくれるけど・・・・



こーーんな軽い感じの男の子たちと飲んでてなんかメリットはあるのだろうか・・・・。


その時だった。


ガタガタッ!!!



勢いよく、私が寄りかかっていたドアが動き・・・


「いったぁっ・・・・!!!!」



ドアに寄りかかってた私は背中を抑えて振り返ると、




・・・・・///////


そのドアの向こうに立ってた人は・・・。


黒髪で・・・ツーブロックの・・・・・



い・・・


イケメン・・・・/////


思わず口を開けたままその顔を眺めていると・・・・。




「邪魔なんだけど」




へっ???




「お前が邪魔で入れないんだけど・・・」



う・・・


うっわ・・・・。


強烈なの来たーー・・・・・。



私の第一印象。


『強烈』




















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