「俺、蝉って苦手なんだよなー。

蝉爆弾って知ってるか?

死んでると思って触ろうとするといきなり動き出すやつ。

あれ超怖え。」



懐かしさに少し笑みがこぼれる。



「でもこれ邪魔だよなー。

踏んじゃいそうだし。

足で端に寄せるか?」


『おい、かわいそうだろ。

ちょっとどけ。』



立花をどかし蝉に手を伸ばす。


案の定触った瞬間、ジジッーーと鳴きながら動き出したが構わず掴み、近くにあった木の幹に掴まらせてやる。



立花はビビったのか少し離れた所で胸を押さえていた。

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