『心…配でさ…来ちゃったんだ…。

悪い…。』


「そっか…。

いいよ、ここ座って?」



蝉川さんが着ている病院着は、儚げな蝉川さんをさらに儚げにしている気がした。


近くで見ると、いつもより肌が白いような気がする。



何も喋らず窓の外を見つめる蝉川さんに、少し気まずくなる。


何か喋った方がいいのだろうか…と内心焦り始めた俺の耳に、蝉川さんの声が入ってきた。






「もう、長くないの。」

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