『…は?』



幻聴?


聞き間違い?



『な……がくない…って、何が…?』



認めたくないがために、わざわざ言わせる俺は酷い奴なのかもしれない。



「命が。」



それなのに、平然と、むしろ笑みを浮かべながら答える蝉川さんは残酷な人なのかもしれない。



「お医者さんにね、言われちゃったんだ。」



蝉川さんから、顔を背けられない。



「余命宣告される余命って、もうちょっと長いものじゃない?」



呆れたように蝉川さんが笑う意味がわからない。

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