「だって、よくない?

人生の大半を土の中で眠って過ごして、1週間だけ地上に出て外を飛び回る。

すごい素敵だと思うな。」


『人生の大半を寝て過ごしたいって事?

蝉川さんって案外怠け者思考?』


「そんなことないと思うけど…。」



いつも少しぼーっとしたような顔を上に向ける。


まさに病弱そうな白い肌をしているので、上を見ると魂が抜けていってしまっているのではないかという錯覚をする。



『それに俺、蝉って苦手なんだよな。

蝉爆弾て知らない?

道路にひっくり返ってる蝉を死んでると思って触ろうとするといきなり動き出すやつ。

あれすげぇ苦手。超怖い。』



そう言うとまた蝉川さんは笑い出す。

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