補足(一章分)
五話補足
スライム
言わずもがなの姿形をしたスライム。
身体は、液体の身体と脳の部分にあたる中枢核で構成される。
身体の液体は何の影響下にも置かれていない場合、ほぼ水と変わらないサラサラな状態である。
ただし水とは異なりスライムの液体は一定の伝導性を持つ。
中枢核からの電気的な指令を受け取るとスライムの液体はサラサラの状態からゲル状の液体へと性質を変化させる。
サラサラ状態からゲルゲル状態に変化する際に体積は膨張する。
この膨張の性質を利用し、更に核の指令を身体のどこに伝えるのかなどを工夫することによってスライムは動くことが出来る。
このため中枢核が傷付けられるとスライムは一発で死ぬ。
ちなみに中枢核の電気指令は微弱な魔法によるものであり、電気の通り方は制御することが出来る。核から離れた部分から電気を発生させることもできる。
特に動かないときは液体の一番外側に指令を伝えゲル状の膜を生成し内側にサラサラな液体と中枢核を保存する。
なので動いていないときは核は身体の真ん中に無く、下の方に沈んでいる。
逆に動いているとき、戦うときは中枢核の周りをゲル状にして防護をしている。
なんでこんな面倒な性質をしているのかは省エネの観点で答えられる。
液体の身体がゲル状になったりサラサラになったりするのはあくまでも液体の性質で、細胞として生きている訳ではない。
そのため液体分の身体は生きるためにエネルギーを消費しない。普通に生きる分には中枢核のエネルギーと魔法を使うエネルギーだけで済む。
この省エネのおかげで草やらなんやらの何の栄養もないような餌でも生きることが出来て、人間のような栄養の塊を採れてしまえば一匹の人間だけで一年は余裕で生きることも出来る。
ちなみにスライムが動物を襲う際は人間のような二腕二足の生物で中途半端に賢い生きものを狙う。
口、鼻の呼吸器を狙う手前、獣過ぎると強引に振り払おうとして事故で中枢核を傷つけられる危険があり、賢すぎるとスライムに口を覆われても冷静に中枢核を狙ってくる。
そのため中途半端に賢いためにスライムに口を覆われて焦り、手でもがいてスライムを口から剥がそうとするようなやつを狙う。
『色んな子を育成するのだ!!』では最弱生物のスライムでさえなんか殺意が高い。
多分、製作者たちの常識のせい。
六話補足
初期好感度と詳細設定
ゲームとしては酷い好感度システムではあるが、プレイヤーの作るNPCには一つだけ救済措置がある。
その方法が詳細設定の変更である。
詳細設定を空欄のままにしておけば普通のNPC同様にそれぞれの個体がもつ好き嫌いのデータを参照して初期好感度が決まる。
ただこの時のゲーム的な処理としてはAIが詳細設定の空欄からバックストーリー云々を無視して良いのねと判断してデータだけを参照する、というもので、詳細設定を書き込むとAIは詳細設定込みで好感度を決めるようになる。
しかしそんなに便利なものでもなく、適当に『プレイヤーのことが好き』と単純に書き込んだりしたら失敗する。
この例で言うと「プレイヤーのことが好きな理由」が詳細設定に書かれていないため、AIはその理由を整合性がとれるように勝手に決める。(特に遍歴もないのに人を好きになるのは一目惚れだからだ!とこんな感じで勝手に理由を決める)
そしてその理由にあったデータ参照を行い好感度をきめる。ただし、NPCの持つ好き嫌いデータは詳細設定では変更出来ないので矛盾が出てきたりする。(一目惚れなのに、データによるとこのプレイヤーの顔のことそんなに好きじゃなくね?矛盾してね?何で?)
結果的に矛盾が出た場合、その矛盾が出た理由について(プレイヤーがNPCの過去の記憶を改竄したからだ!このクズめ!!)とAIは判断して好感度を永遠のどん底状態に固定する。
そんなわけで詳細設定はかなり危険を孕むが、ちゃんと整合性さえとれれば初期好感度は高い状態にすることが出来る。
ただし初期好感度が高くとも、長く付き合ううちにボロが出て、実際のプレイヤーと詳細設定でのプレイヤーとの違和感を検出すると(このクズめ!!)演出が入りジ・エンドする。
そのため詳細設定は
・プレイヤーのことを好きな理由が好き嫌いデータに影響されにくいものにする
・プレイヤーのことを好きな理由はプレイヤー自身が出来るものにする
これらを意識すれば上手くいく。
ルナは上手くいっている例の一つで、悲しい過去、その後の辛い時期に何も言わなくてもプレイヤーが側にいてくれた、みたいな理由でルナはプレイヤーのことを好きになったと詳細設定ではしているが、上二つの意識すべきことをそれなりに満たせている。
その他にもプラスマイナス両方に影響するエピソードをルナには書き込まれているが、全体で見るとそれなりのプラス状態で初期好感度はスタートした。
七話補足
主人公の名前
遂に出てきた主人公の名前
『美少女狩り』のアカネ
現実世界の本名は涼宮瑠璃(スズミヤルリ)
チュートリアル
『色んな子を育成するのだ!!』で強制されるチュートリアルは、プレイヤー自身のキャラメイクとNPCのキャラメイクだけで、その他ゲーム内での常識やら機能やらはチュートリアルとして教わることはない。
その代わりにプレイヤーの作ったNPCが困ったり分からないことがあったりすると助けてくれる。
ついさっき生まれたはずのルナがゲーム世界での常識的な部分を知っているのはこの仕様のおかげ。
八話補足
プレイヤーのキャラランダム作成
ランダム作成はゲームマスターの中で暇な人が担当する。
種族が人間以外になることが多いメリットの他、いくつかあるメリットのうちの一つが二つ名の付与がある。
二つ名はステータスにプラスの影響を与える他、特殊な効果ももたらす。
ただしランダム作成で二つ名は確率で与えられ確定ではない。
ランダム作成のデメリットは作中の通り、変な名前や二つ名が与えられることなど。
酷い人だと『暗黒騎士』アポカリプスとか名前を付けられた。
アポカリプスさんはその後、恥ずかしくて他の人とパーティーを組むこともできず、イベントの上位入賞で名前が載ると馬鹿にされるなどした。
没入度が高いタイプのネットゲームでイキった名前は致命的。
1G =10円
1Gは10円です。
ただし食べ物や生活消耗品は安く、調度品や武具などは天井しらずに高い。
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