第96話

「警備員でも警察でも呼べ!


俺はコイツの根性、叩き直すまでやめねぇぞ!」



「警備員呼びます」


そう言って看護師1人が病室を出て行く。



「ケン!!!


鈴の分まで生きるんじゃなかったのか⁉︎


残された者の気持ち、お前が1番わかってんじゃねぇのかよっ!!!


辛くても生きろっ!


這ってでも生きろっ!


無様に生きてみろよっ!


俺が一緒に生きてやる!


ノンが一緒に生きてやる!


だから生きろっ!!!」



ガクの心が泣いている…。



私はガクの背中に抱きついた。



「ガク、もうわかってる。


ケンはわかってるって。


伝わってるから、だからもうやめて?」



「君!やめなさい!」


警備員がガクを取り押さえる。



ガクは揉み合いになりながらも、ケンの側を離れない。



「やめろっ!!!


そいつは…ガクは俺の大切なダチだ!


ガクに触るんじゃねぇっ!!」


ケンが泣きながら叫んだ。

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