第94話

警察署では、ガクが言った通りの説明をされた。



私達はケンと食事をした時の事、電話の様子や発見した時の様子を話した。



それを済ませて病院に向かう。



病院に着くと、ケンの両親と警官が話していた。



「おばさん、ケンは?


目は覚めた?」



「ガクちゃん、今覚めたところ。


警察の方が先に本人と話したいって」


お母さんが言った。



ケンはこの病院の精神科で、診察を受けなければならないそうだ。


自殺未遂をしたんだから、心の治療も必要だろう。



事情聴取が終わり、やっとケンに会える!そう思った時…。



「おばさん、すまない。


手荒な事する」



そう言ってガクが1番に病室に入った。



そして天井を見つめるケンの胸ぐらを掴んだ。



「ちょっ!ガクッ!」



私が止めようとした時にはもう遅かった。

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