第92話
「いや…、俺はケンがうちに来た時に異変に気付いてやれなかったから…。
アイツが電話して来てくれて良かったよ」
そう答える。
ケンがガクに電話をかけて来なかったら…。
そう思うとゾッとする。
「また顔出すよ」
私達は外が明るくなってから家に帰った。
「すげぇ疲れた…」
ガクの心が弱っているのが伝わる。
「仕事、どうするの?
休んだ方が良くない?」
「そうだな…休む事にする。
ノンも寝てないんだから学校は休めよ」
ガクが仕事を休むのは珍しい。
よっぽどショックなんだと思う。
私もショックだ。
まさか、あの強いケンが…。
鈴の死と、下半身不随の大怪我を乗り越えて来たのに…。
3人で食事をして、鈴が居ない悲しみが甦ってきたのだろうか。
ケンと話してみなければわからない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます