第89話

「ケン!今、救急車来るからな!


死ぬんじゃねーぞ!!」


ガクはケンの頬を叩いた。



5分くらいで救急車が来て、救急隊の人がケンに声をかける。


でも、反応はない。



「脈は触れてる!


すぐに搬送します!」


救急隊の人が言った。



ケンは救急車に乗せられた。


鈴の事故の時の事を思い出して手が震えた。



「どこの病院に連れて行く?


バイクで向かいたい」


ガクが救急隊に聞いた。



「今、受け入れ先を探しています!」


ケンを受け入れてくれる病院が見つかるまで、20分くらいの時間がかかった。



私は震える手で、泣いているケンのお母さんの背中を摩った。



「受け入れ先が決まりました!」


受け入れてくれたのは、隣町の大きな総合病院だった。



救急車が走りだすと同時に、私達はバイクに乗った。

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