第87話

「私も行く。


なんだかケン、辛そうだったから」



私達はバイクでケンの家に向かった。



ケンの家の前でケンに電話しても繋がらない。



「夜中だけど、チャイム鳴らすか」


ガクがチャイムを鳴らした。


ケンは弟が1人居る4人家族だ。



チャイムを鳴らして少しするとインターフォンから声がした。



「はい」


女の人の声。



「おばさん、ガクだけど。


夜中にごめん。


ケンいるかな?」


インターフォンに話しかける。



「ガクちゃん?


ケンなら寝てると思うけど…。


今開けるわね」



ガチャ!


すぐ玄関が開く。



「ケンから変な電話来てさ。


気になって来たんだけど…。


ちょっと入るわ」


私もガクに続いて家に入れてもらった。



ケンの為に、玄関はバリアフリーになっている。



ガクは1階の手前にある部屋をノックした。

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