第86話

「何だよ、突然」


ガクは笑った。



「鈴と、ガクと、ノンちゃんで連んでた頃は楽しかったよな。


俺達、あの時が青春だったよな」



「今でも青春してるだろ?


何だよ、お前酔ってんのか?」


ガクもおかしいって思ったんだと思う。



「生まれ変わっても…4人で連もうな…。


ノンちゃんに飯美味かったって伝えてくれ」



「ケン、聞こえてるよ!


また遊びにおいでよ!待ってるから」


私はガクのスマホに話しかけた。



「ガク、ノンちゃん、またな」


そう言うと電話は切れた。



「ねぇ、今の電話何だか変じゃなかった?」


私にはケンが泣いている様に聞こえた。



「そうだな、ケンらしくないよな」


ガクも言う。



「それに"生まれ変わっても"って言葉、鈴がケンに残したメールみたいだよね」


そう言うとガクは立ち上がる。



「俺、ちょっとケンのとこ行ってくるわ!」

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