第85話

「まぁ、2人が元に戻って安心したよ。


これでガクの溜め息、聞かなくて済む」



「俺がいつ溜め息ついたんだよ」


ガクは笑った。



ケンは車椅子生活になっても、明るいケンのままだ。


鈴だけがここに居ないのは寂しいけど、きっと天国から見てくれていると思っている。



「いただきまーす」



「ノンちゃん、マジで美味い!」


ケンはご飯とハンバーグをお替わりしてくれた。



3人で楽しい夜だった。



そう思っていたのは、私とガクだけだったのだろうか…。



次の日の夜、ガクとテレビを見ているとケンからガクに電話がきた。


ガクはスピーカーにして電話に出た。



「もしもし?どうした?」


時計を見ると23時。



「ガク、俺お前の親友になれて良かったよ。


お前と喧嘩できて楽しかった」


ガクとケンが一緒に喧嘩していた頃から、もう1年以上経っている。


今頃、こんな電話どうしたんだろう?って思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る