第82話

「それともう一つ…バイクの事です。


バイクの後ろには乗せないっていう約束ですが、乗せる事を認めてもらえないでしょうか?


鈴の事故があって、心配なのはよくわかります。


でも、無茶はしません。


安全運転します。


危ない道も通りません。


だから、認めてもらえませんか?」


ガクはまた頭を下げた。



「お父さん、お願い!


ガクを信じて認めて?


私、ガクと一緒が良い」



「和田君。


父親っていうのはね、娘の頼みに弱いんだ」


えっ…。



「お父さん、良いの⁉︎」


私の声が大きくなる。



「駄目だと言って、花音がバイクの免許を取りたいって言い出したら、もっと心配だからね。


和田君に花音を任せるよ」



「ありがとうございます!」


「ありがとう、お父さん!」


私達はやっと2人乗りが認められた。

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