第81話

ガクは帰りに私の家に来た。



「突然すみません。


もう一度、花音さんとお付き合いさせて頂きたくて、ご挨拶に来ました。


花音さんを悲しませてしまった事は、本当に申し訳なかったと思っていたす。


これからは同じ様な事を繰り返さないように、しっかり向き合っていきたいと思っています」


ガクはちゃんと挨拶してくれた。



「君と別れた後の花音は、食事も喉を通らない程痛々しい状態だったよ。


でもね、花音は君の影響を受けて、他の子がお酒を飲んでいても自分は飲まないっていう、強い子になった。


正義感が強いのも君の影響だろう。


それは君に感謝している。


大切な娘を、本当にもう泣かせないと誓えるかい?」


お父さんはガクを見つめる。



「誓います。


だから、どうかお願いします」


ガクの気持ちも、お父さんの気持ちも嬉しかった。


「わかった、もう一度チャンスをあげよう。


娘を頼むよ」



「ありがとうございます!」



「お父さん、ありがとう」


ガクと私は頭を下げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る