第83話

久しぶりにガクの部屋に入る。


相変わらず綺麗な部屋。



「変わってないね」


そう言ってソファーに座った。



「普通変わらねぇだろ」


ガクも隣に座る。



「ガクの部屋にまた来るなんて、夢みたいだよ」


二度と来る事は無いと思っていた。



「戻ってきてくれて、ありがとうな」


私の手をガクの手が包む。



私達の半同棲生活はまた始まった。



ガクは週末は出かけるから、私は週末だけ実家に帰る事にした。



お父さんに"和田君は週末はどうしてるんだ?"と聞かれたけど、まさか集会に行くとは言えなかった。



ガクは週末、家で勉強している事になっている。



「やっぱり、ガクはスーツが似合うね!」


集会にはスーツで顔を出している。


純さんのスーツ姿を見た時は、怖すぎてビックリしたけど、ガクのスーツ姿は大人っぽくてカッコイイ。



心配はもちろんする。


怪我をしないかハラハラしてる。


でも、ガクを信じている。

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