第79話

朝になり、離れるのが辛くなる。



「私、電車で帰るね」



「…いや、後ろに乗って行け」



「でも、お父さんとの約束が…」


そんは物、無ければ良いと思ってた。



「帰りにノンの家に寄るよ。


ちゃんと話して、バイクの事も頼むから。


より戻した報告もしたいし」



「ありがとう!凄く嬉しい」


ガクに抱きついた。



大好き。


心から大好き。


閉じ込めていた想いが溢れ出す。


その愛情表現をどうぶつけて良いかわからない程。



「あっ、メットねぇな…」



「まさか私に会うなんて思ってないもんね。


やっぱり電車で…」



「いや、ちょっと待ってろ」


そう言ったきり40分も戻って来なかった。



でも、帰ってきた手にはヘルメットがある。

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